
遅くなりました。Microsoft定例のWindows Updateの日が来ていました。
主な注意点
- 2020 年 11 月の定例リリースにて、脆弱性情報 CVE-2020-17049 (Kerberos KDC) に対応するために Windows Server 向けのセキュリティ更新プログラムをリリースしました。この更新プログラムをドメイン コントローラに適用後に確認されていた、Kerberos 認証の問題を解決する修正プログラムが 11 月に定例外で公開され、12 月の月例の累積的なセキュリティ更新プログラムにも含まれています。また Windows Server 2008/Windows Server 2008 R2 SP1 向けの修正は 12 月の月例のセキュリティ更新プログラムに含まれています (適用には ESU が必要となります)。詳細は、Windows Release Information ならびに「Kerberos KDC の脆弱性 (CVE-2020-17049) に対応するためのガイダンス」をご参照ください。
- 2020 年 12 月の定例リリースにて、Kerberos の脆弱性情報 CVE-2020-16996 が公開されています。この脆弱性から完全に保護されるためには、ドメインコントローラへのセキュリティ更新プログラムを適用後、追加の手順を実施する必要があります。適用に関する詳細情報はサポート技術情報 4577252 をご参照ください。
- マイクロソフトは Adobe Flash Player のサポートを、2020 年 12 月31日に終了します。詳細は、Japan Windows Blog ならびに Japan Developer Support Internet Team Blog をご参照ください。
- 2020 年 9 月にお知らせしていた、サービススタック更新 (SSU) と最新の累積的な更新プログラム (LCU) を統合したパッケージが 12 月の月例より利用可能となっています。従来通り、SSU と LCU を別々に展開する場合は特に展開方法を変更する必要はありません。統合されたパッケージを展開する場合は、WSUS 経由で提供されるため WSUS の構成を変更する必要があります。詳細は、Windows IT Pro Blog をご参照ください。
- UAC が有効になっているサーバー上で、Exchange 向けの更新プログラムを標準モード (管理者権限ではなく) で手動でインストールした際に、いくつかのファイルが正しく更新されず、OWA や ECP が正常に動作しない可能性があります。管理者権限で更新プログラムをインストールすることをお勧めします。詳細は、サポート技術情報 4593467、4593466 ならびに 4593465 をご参照ください。
2020年12月のセキュリティ更新プログラム
製品ファミリ | 最大深刻度 | 最も大きな影響 | 関連するサポート技術情報またはサポートの Webページ |
Windows 10 v20H2、v2004、v1909、v1903、v1809、v1803 | 緊急 | リモートでコードが実行される | Windows 10 v2004 および Windows 10 v20H2: 4592438 Windows 10 v1903 および Windows 10 v1909: 4592449 Windows 10 v1809: 4592440 Windows 10 v1803: 4592446 |
Windows Server 2019、Windows Server 2016、Server Core インストール (2019、2016、v20H2、v2004、v1909、v1903) | 緊急 | リモートでコードが実行される | Windows Server 2019: 4592440 Windows Server 2016: 4593226 Windows Server v2004 および Windows Server v20H2: 4592438 Windows Server v1903 および Windows Server v1909: 4592449 |
Windows 8.1、Windows Server 2012 R2、および Windows Server 2012 | 重要 | リモートでコードが実行される | Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 マンスリー ロールアップ: 4592484 Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 セキュリティのみ: 4592495 Windows Server 2012 マンスリー ロールアップ: 4592468 Windows Server 2012 セキュリティのみ: 4592497 |
Microsoft Office 関連のソフトウェア | 重要 | リモートでコードが実行される | Microsoft Office 関連のソフトウェアに関連するサポート技術情報: 4484372、4484393、4484468、4486698、4486704、4486732、4486742、4486748、4486750、4486754、4486757、4486760、4493139、4493140、4493148 |
Microsoft SharePoint 関連のソフトウェア | 緊急 | リモートでコードが実行される | Microsoft SharePoint 関連のソフトウェアに関連するサポート技術情報: 4486696、4486697、4486721、4486751、4486752、4486753、4493138、4493149 |
Microsoft Exchange Server | 緊急 | リモートでコードが実行される | Microsoft Exchange Server に関連するサポート技術情報: 4593465、4593466、4593467 |
Microsoft Dynamics 365 関連のソフトウェア | 緊急 | リモートでコードが実行される | Microsoft Dynamics 関連のソフトウェアに関連するサポート技術情報: 4577009、4578105、4578106 |
Microsoft Visual Studio 関連のソフトウェア | 重要 | リモートでコードが実行される | Visual Studio 関連ソフトウェアのセキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイドを参照してください。https://msrc.microsoft.com/update-guide |
Azure 関連のソフトウェア | 重要 | なりすまし | Azure 関連ソフトウェアのセキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイドを参照してください。https://msrc.microsoft.com/update-guide |
ChakraCore | 緊急 | リモートでコードが実行される | Chakra Core のセキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイドを参照してください。https://msrc.microsoft.com/update-guide |
新規のセキュリティ アドバイザリの公開
- アドバイザリ ADV200013 (DNS Resolver) を公開しました
既存の脆弱性情報の更新
- CVE-2020-1325 (Azure DevOps Server and Team Foundation Services) を更新しました。
- CVE-2020-1596 (TLS) を更新しました。
- CVE-2020-17049 (Kerberos KDC) を更新しました。
次回のセキュリティ更新プログラムのリリース
2021年1 月 13 日 (日本時間) を予定しているそうです。
コメント
Windows 10 バージョン 2004/20H2で報告されていた「Microsoft IME」の問題について、今回のパッチで解決したのが大きな話題になりますかね。
今回修正された問題は、以下の4つ。サポート文書「KB4564002」で挙げられていた問題は、これですべて解消されたことになる。
- 新しい日本語版「Microsoft IME」で“ImmGetCompositionString()”が予期せず全角ひらがなを返す
- 特定の状況下で「Microsoft IME」からキーボード入力を受けとれない。入力オプションが制限されていたり、“WM_CHAR”メッセージを直接処理している場合に発生するようだ
- “SetInputScope () API”でアプリの変換モードを変更または設定した場合、日本語用「Microsoft IME」が期待どおりに動作しない
- 日本語版「Microsoft IME」でタスクバーのインジケーターのモードが正しく反映されない場合がある
不具合情報
すでに以下2件の報告があるみたいですね。
- Windows 10 Version 1809以降のWindows 10からそれ以降のバージョンのWindows 10にアップデートするとシステム証明書およびユーザー証明書が失われる可能性がある。
- ふりがなを自動入力できるアプリで、日本語IMEを使って漢字を入力すると、正しいふりがなが出てこない場合がある。
参考情報

Microsoftが12月の月例パッチ公開、58件の脆弱性を修正
日本マイクロソフト株式会社は9日、12月の月例セキュリティ更新プログラム(修正パッチ)を公開した。マイクロソフトではユーザーに対して、できるだけ早期に修正パッチを適用するよう呼びかけている。